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ワールドニュース:注目の記事

The New York Times, Huffington Post, Bloomberg, Al Jazeera, BBC, The Japan Times...などの注目記事を邦訳

米ユナイテッド航空:中国からも乗客対応への怒りが続出

2017/4/11 from The New York Times

 

北京 ー ユナイテッド航空の飛行機から乗客が強制退去させられた一件が、米国内のソーシャルメディア上で激しい怒りを引き起こした翌日、中国国営ニュース局が、強制退去させられた男性は中国系の血を引く人物であったと報道した後、ユナイテッド航空への大反発が中国内でも発生した。

 

強制退去させられた男性の名前が広く知れ渡るよりもかなり前、同男性が「(自分は)中国人だから(降機を命じられる4人の乗客に)選ばれたんだ」と不満を訴えていたと、同じ便に乗り合わせた別の乗客は述べた。その後、弁護士により、同男性がデヴィッド・ダオ医師であったことが公表された。

 

水曜日の朝までに、ハッシュタグユナイテッド航空が乗客を強制的に退去させた」(United forcibly removes passenger from plane) は微博(Weibo / 中国版ツイッター)上で最も人気のある話題になり、視聴数は5億5千万以上、コメント数は240万以上に上った。多くの中国人ソーシャルメディアユーザーはユナイテッド航空を人種差別的だと非難し、ボイコットを訴えかける者もいた。

 

米国シカゴからルイスビルへ向かう予定だった予約超過の航空機から降機することを拒否した乗客が、警備員により座席から引きづり出されたことに対し、激しい怒りが沸き起こっている。

 

火曜日、この件は中国メディアで大々的に報道された。中国国営の中国中央テレビ(CCTV)は、血まみれの乗客の顔写真を「残酷だ」という文字と共に放送した。

 

中国共産党紙である人民日報は、ユナイテッド航空が乗客への対応について当初は自社の非を認めなかった、として怒りを示した。

 

ユナイテッド航空は、自主降機する代わりに特典を与えるという航空会社からの提案に誰も応じなかった後、降機を命じられた4名の乗客は選ばれ、3名の乗客は問題なく降機に応じた、と公表している。

 

ユナイテッド航空最高経営責任者であるオスカー・ムニョス氏は月曜日、乗客を降機させたことに関して「動揺している」「会社は見直しを行っている」と述べ、謝罪した。

 

火曜日、ムニョス氏はさらに一歩踏み込んだ。ムニョス氏は「深く謝罪する」「このような不当な扱いは、誰も受けてもならない」「我々は全面的に責任を負い、問題を正すために取り組もうとしていることを、皆さんに知って欲しい」と声明を出した。

 

この議論はユナイテッド航空が1986年に路線を就航して以来、安定的に優良顧客を確保してきた中国における収入を脅かす可能性がある。昨年5月時点で、ユナイテッド航空は1週間に96便を中国本土と香港へ飛ばしている。

 

テクノロジー関連産業のエンジェル投資家で、北京からシリコンバレーへ頻繁に飛行機を利用するワン・グァンシュン氏(40歳)は「もう2度とユナイテッド航空は利用しない」と述べた。

 

「なぜユナイテッド航空は、他にも沢山いる乗客の中からアジア人を選んだんだ?」彼は電話インタビューでこう言った。「明らかに、アジア人はマイノリティーだ。」

 

人民日報はユナイテッド航空が「アジア系乗客への暴力に関しては、何も触れていない」ことに対して「ひどく失望した」と報じた。

 

中国メディアは、人権問題に関する西欧民主主義国家の偽善の証拠として、中国系の血筋を持つ海外在住者に対する差別や暴力のエピソードを強調して報道することがしばしばある。

 

この事件はアメリカ社会の深層にある問題をあらわにしている、という意見など、ネット上での議論には政治的なニュアンスを含むものもあった。ある微博ユーザーは「民主主義国が提唱してきた人権というものは、どこにあるんだ?」とつぶやいた。

 

この一件は、アメリカ国内に住む中国系の人々が、広くはびこっている差別に直面していることを示している、と言う者もいる。

 

「アメリカでは、アジア人はしばしば差別の対象にされる」ある微博ユーザーは書いた。「もし、これが黒人やイスラム教徒だったら、彼らはこのようには振舞わなかっただろう。」

 

山東省出身で現在イギリスに住む学生のジャン・ヅィーシーさんは、ホワイトハウスにこの件に対しての連邦調査を要請する署名をウェブ上で始めた。ハッシュタグ #ChineseLivesMatters (中国人の命は大切だ)を使用したキャンペーンは、火曜日の夕方までに当初のゴールであった10万を超える署名を集めた。

 

「アメリカには沢山の人種差別があると、メディアを通じて学びました」18歳のジャン氏は電話インタビューで答えた。「中国人は不当に扱われていると感じます。」

 

中国系アメリカ人で人気コメディアンのジョー・ワン氏は、ユナイテッド航空のボイコットを主張する1人だ。

 

「差別を受けたことのある多くの中国人は、プライドがあるために、その経験を公にすることを嫌がる。」ワン氏は微博でつぶやいた。「こういった態度だから、西欧の主要メディアも、世論も、アジア人に対する差別にはあまり関心を払わないんだ。」

 

元記事→

https://www.nytimes.com/2017/04/11/world/asia/united-airlines-passenger-dragged-china.html