石油大手エクソンモービル、気候変動パリ協定への参加継続をホワイトハウスへ主張
2017/3/30 from The Huffington post
「世界で一番大きな石油会社がアメリカ合衆国大統領よりも気候変動について理解しているとは、なんて哀しいことだ。」バーニー・サンダース上院議員のツイート。
ドナルド・トランプ大統領が前オバマ政権の気候変動政策の主要項目を撤回するという新たな大統領令にサインする直前に、米大手石油ガス関連会社エクソンモービルがホワイトハウスへパリ協定への参加を継続するよう助言していたことが分かった。
3月22日にホワイトハウスへ送られた書簡で、エクソンモービルはトランプ政権に対し、パリ協定は気候変動の危機に対処するための効果的な取り組みであり、温室効果ガス削減へ向けた初の国際的な協定であるとして、同協定から脱退しないよう主張した。
この書簡に関する報道への反応として、バーニー・サンダース上院議員は世界で有数の石油大手がアメリカ合衆国大統領に気候変動について指南しなければいけないとは「とても哀しいことだ」とツイッター上でつぶやいた。
この書簡をハフィントンポストに公開した同社の報道責任者アレン・ジェファーソン氏によると、今回の意見書はエクソン・モービルのパリ協定への取り組みに関するホワイトハウスからの注文に対しての返答として作成された。
同書簡のなかで、同社の環境戦略担当部長であるピーター・トレレンバーグ氏は、アメリカは「パリ協定の枠組み内で上手くやっていける良いポジションを得ている」とし、パリ協定はアメリカの天然ガスー化石燃料としては最も環境に優しいーの使用量を増加させる可能性があると指摘している。
また、気候変動に対処しようとする取り組みは、テクノロジーの進歩を促進する可能性があり、アメリカとしてはこのテクノロジーの進歩を援助するような政策を保つべきであるとも、書簡では主張している。
エクソン・モービルの公式発表では「世界的なエネルギー関連マーケットを自由で健全なものに維持するため、アメリカがパリ協定に参画し続け他国と同様の条件下に見を置くことは理に敵っている。」とも付け加えている。
CNNニュースによると、ホワイトハウスの報道官は記者たちに対し、「アメリカがパリ協定から撤退するか否かの決定はまだ下していない」と発言している。
今週の火曜日に発令された「エネルギー自立に関する大統領令」ートランプ大統領はこれを「エネルギー革命」と呼んでいるーはパリ協定脱退に直接関係する内容ではないが、アメリカがパリ協定で取り決められた削減目標を達成することを困難にする可能性があると考えられている。
エクソン・モービルは気候変動調査の結果を偽って公表した疑いで、現在捜査を受けている。元エクソン・モービルCEOで現アメリカ合衆国国務長であるレクス・ティレーソン氏は、アメリカはパリ協定に参加し続けると発言している。
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