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ワールドニュース:注目の記事

The New York Times, Huffington Post, Bloomberg, Al Jazeera, BBC, The Japan Times...などの注目記事を邦訳

日本、「テロとの戦い」に関する法案に関する国連専門家からの質問へ抗議

5/22 Reuters -  

Japan protests against U.N. expert's queries on bill to fight terrorism | Reuters

 

5月22日 ロイター通信

 

制定が予定されているテロや犯罪などの共謀を罰することを目的とした法案は警察権力が市民の自由と権利を踏みにじることを可能にする恐れがある、との懸念を表明した国連特別報告者から安倍晋三首相への書簡に対して、日本は異議を唱えた。

 

プライバシーの権利に関する国連特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏は、ロイター通信へのメールで、菅官房長官による抗議のコメントは「本質的内容の無い怒声」であると強く非難した。

 

同法案は早ければ火曜日にも衆議院を通過し、施行への準備が進む。

 

2020年の東京オリンピック開催と関連し、国際犯罪とテロへ対抗することを目的とした国連協定を批准するためには法改正が必要であると、東京では主張されている。

 

同法案は個人の権利を犠牲にして政府の権力を強めるための、安倍首相の政策の一部であると、反対者は指摘する。

 

5月18日に送られたカナタチ氏からの書簡の内容は「明らかに不適切であり、我々は強く抗議する」と、菅官房長官は発言した。

 

「今回のケースは、発言の自由とプライバシーの権利を不適切に制限するために、独断的に実施されるような法律制定ではない。」と菅官房長官は付け加えた。

 

国連人権高等弁務官事務所のウェブサイト上に公表された書簡の中でカナタチ氏は、同法案の広範に渡る適用範囲は「表現の自由とプライバシーの権利を過度に規制することへつながる」可能性があると懸念を表明した。

 

同氏は安倍首相に対して、上記のような懸念の正確さと、国際的な人権規範及び基準と同法案の適合性に関しての情報を求めている。

 

「事実に関してのいかなる点が修正されるまで、また、修正されない限り、私は安倍晋三首相への書簡に書いた一言一句と共に立つ」とカナタチ氏はロイター通信へのメールで述べた。

 

「日本政府がこのように振舞うこと、また、深刻な欠陥を含む法案の制定をこれ程までに急ぐことに対する、正当な根拠は皆無である。」

 

日本弁護士連合会を含む同法案への反対者達は、今回の法改正は昨今の合法的盗聴の拡大と警察の監視権力を規制することに対する裁判所の消極的な姿勢と相まり、政府の政策へ反対する草の根運動の芽を摘むことになるとも警告している。

 

弁護士会は一般市民も標的にされ、組織犯罪やテロとは無関係の行動も法案が定める「犯罪」に含まれる恐れがあると懸念を表明している。

 

 

国連が超国家組織犯罪に対抗する協定を採用した2000年以来、日本政府は同法案と類似する法律を成立させようと3回試みている。

 

しかし、国会の両議院において3分の2の多数派を持つ安倍首相の連立与党は、沢山の反対と抗議にも関わらず、今回こそ同法案を制定するようだ。

 

日曜日に公表された共同通信の調査によると、この物議を醸す法案に対する有権者の意見は分かれており、賛成が39.9%、反対が41.4%となっている。

 

元記事→

www.reuters.com

James Comey・FBI長官を解任するトランプ大統領からの書簡

5/9 from CNN Politics: 

Trump's letter firing FBI Director James Comey - CNNPolitics.com

 

2017年5月9日、Donald Trump 大統領はJames Comey FBI長官を解任した。

以下はFBI長官を解任する際、大統領が書いた書簡。

 

(日本語訳)

 

親愛なるComey長官、

アメリカ合衆国司法長官および副司法長官から、あなたをFBI長官から解任するよう進言する手紙 (添付) を受け取りました。私は彼らからの進言を受け入れるので、あなたは長官を解任、オフィスから除外されることになります。これは即時に発効するものとします。

個別の案件について、私が捜査対象ではないということを知らせてくれた事に関しては、私はあなたにとても感謝していますが、それでもやはり、私はあなたがFBIを率いるのに適格ではないという法務省の判断に同意します。

FBIが社会からの信頼と、法の支配を実行するという重要な任務への自信を回復するための、新たなリーダーシップを模索することが不可欠です。

今後のご活躍をお祈りいたします。

 

 

https://pbs.twimg.com/media/C_a7cc8W0AAHKTV.jpg

 

(元記事には、Sean Spicer ホワイトハウス報道官の公表文、Jeff Sessions 法務長官からの手紙、副法務長官のメモの画像も掲載されている)

元記事→

edition.cnn.com

トランプ政権下で北朝鮮はさらなる制裁に直面する

4/26 from BBC News

North Korea faces tighter sanctions under Trump strategy - BBC News

 

アメリカは北朝鮮に対する制裁を強化し、核実験とミサイル使用を終結させつことを目的に、外交圧力も一段と強めている。

 

以前、アメリカ軍太平洋部隊最高司令官は、韓国での高度ミサイル防衛システムの展開を主張した。

 

北朝鮮が新兵器の実験を計画しているさなか、緊張が高まっている。

 

アメリカ合衆国朝鮮半島の安定と平和的な非核化を望んでいる。これらの目的を達成するために交渉の余地はまだある。しかし、我々は自分自身と同盟国を防衛するための準備もしている。」」とRex Trillerson国務長官、Jim Mattis防衛長官、Dan Coatsアメリカ合衆国国家情報長官は共同記者会見で声明を出した。

 

「大統領は、北朝鮮に対する経済制裁を強め、同盟国と周辺地域のパートナーたちと協働で外交圧力をかけることで、北朝鮮が核と弾道ミサイル、そして拡張主義を手放すことを目指している。」と報道官は述べた。

 

北朝鮮はすでに、威嚇を伴う一連の行動により、国連から制裁を受けている。

 

BBCのBarbara Plett記者は、核兵器実験を凍結させるために中国が平壌へ強く働きかけるよう、プレッシャーをかけていくことが重要だと考えている。

 

ホワイトハウスは、別の手段として、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定することも検討していると、公式見解を発表した。

 

トランプ大統領の前任であるバラク・オバマ元大統領は、1年前に北朝鮮が核実験と人工衛星を打ち上げたことに応じて経済制裁を課した。

 

アメリカにあった北朝鮮政府の資産は凍結され、アメリカから北朝鮮への輸出や投資も禁止された。

 

その指令は、アメリカ人以外も含む、北朝鮮と関わりのあるブラックリスト上の人物たちにも及んだ。

 

アメリカ上院は水曜日にトランプ政権から、北朝鮮の驚異の深刻さとそれに対処する大統領の戦略について説明を受けた。

 

現太平洋司令官のHarry Harris現太平洋司令官は、アメリカ軍はいかなるミサイル攻撃にも最新のテクノロジーで応対する準備があると述べた。

 

韓国に配備されているTHAADミサイル防衛装置は、北朝鮮金正恩総書記への「威嚇ではなく、攻撃」を目的としている。

 

Harris氏は、北朝鮮は軍事能力が整い次第すぐにでもアメリカを攻撃してくると考えている。

 

金正恩が実験を繰り返し、そのたびに成果をあげている。それはアメリカの都市に核兵器を使うためだ。」とワシントンDCでの下院軍事委員会で述べた。

 

 中国はTHAADミサイル防衛装置の展開は安全保障を不安定にし、韓国でも抗議が行われていると述べた。韓国では実際に、水曜日にゴルフ場跡地にTHAADが配置される際の警察と反対抗議との衝突で、3人が怪我を負った。

 

元記事→

www.bbc.com

 

 

ネットワークは「似た者同士」だけを囲い込んでいる?

2016年10月4日に公開されたオープンコラム from The New York Times

https://www.nytimes.com/2016/09/29/learning/is-your-online-world-just-a-filter-bubble-of-people-with-the-same-opinions.html

 

あなたはどこからニュースを得ますか?それらのうち、どの程度がソーシャルメディア経由ですか?あなたのタイムラインは、年齢・人種・宗教・居住地・関心や政治的思想などに関して、どの程度多様性に富んでいますか?

 

10月4日の「ニュースに触れる日」にあやかって、今回は自分自身の「ニュース消費」を改めて見つめ直し、どのように視野を広げられるか、みなさんと一緒に考えてたいと思います。

 

「リベラルバイアス」の存在が主張された「フェイスブックはどのように我々の世界を囲い込むのか」と題したオープンコラム(2016年3月)で、Frank Bruni氏は以下のように書いた。

 

フェイスブックに関して警鐘を鳴らしてきた人たちは正しかった。我々がスマートフォンタブレット、パソコンを使って過ごす時間のほぼすべて、そして、お気に入りのサイトを親指でタップし、自分のタイムラインをスクロールしている時間のほぼすべての間、我々は必然的な結果に向かって進んで行っている。我々は「心地よく」感じるよう方向へ、向かわされている。

 

しかし、マーク・ザッカーバーグ氏を責めるのは間違っている。本当の犯人は、我々なのだから。一つの観点を他の観点より優遇し、文化的思想的に凝り固まった群れを成す時、フェイスブックが我々にしていることよりも、はるかに重大なことを、我々は自分自身にしているのだ。

 

 

私は、我々が一般的に、インターネットをどのように使っているか、特に、どのようにソーシャルメディアを使っているか、そして、それらのモノに、どのように我々を『使わせているか』について話しているんだ。こういったテクノロジーは、主犯人というよりも、共犯者だ。古くからある欲望のための、新しい技術。『人間がしたいことを可能にする一連の技術イノベーションの一つ。そして、人間が好んでしたがることの一つは、同じように考える人と多くの時間を過ごし、違った考え方をする人たちとの時間を減らすことだ。フェイスブックの効果は些細なものではない。しかし、フェイスブックは、前からあった傾向への触媒として、それを増幅させているんだ。』と社会心理学者で2012年にベストセラー『The Righteous Mind』を書いたJohathan Haidit氏は言った。

  

お気に入りのブログをブックマークすることで、そして、ソーシャルメディアを自分好みにすることで、我々はかつてないほどに、自分たちの目に触れるニュースと政治的思想をカスタマイズしている。そしてこれらの行動が、一人一人の日常の「色」を決めている。いや、むしろ、日常に本来あるはずの様々な「色」を搾り取り、あなたの日常をたった一つの色だけに染めている。

 

人々は、確信を熱狂に、情熱を激怒に、自分とは異なる意見を「悪者」へと変えることを肯定するよう、精密に設計された音響ルームを作り上げているんだ。」

_______________

すべての学習者へ:「 フェイスブックはどのように我々の世界を囲い込むのか」を読んで、以下の質問に対するあなたの回答を教えてください。

 

・この意見に対してのあなたの反応はどのようなものですか?Bruni氏の主張は正しいと思いますか?あなたのソーシャルメディアのタイムライン上には、あなたに文化的思想的に似通っている情報ばかりが映し出されていますか?

 

 ・なぜ、このような多様性の欠如が問題になるうると思いますか?もしBruni氏が言うように、あなたソーシャルメディアやあなたが目にするニュースが「一色」に統一されていたとしたら、なにが問題だと思いますか?

 

 ・この問題は、あなた個人にはどのように影響を与えると思いますか?例えば、この議論を巻き起こしている選挙期間中、あなたがタイムライン上で目にする情報は、あなたの考えに近いものが多いですか?それとも、反対意見の方が多いですか?

 

・Bruni氏は「しかし、これは偏向したタイムラインの問題ではないし、アルゴリズムの問題でもない。これは、人類と共に常に存在してきた『部族主義』の問題、インターネットという肥沃な大地の上で、いま満開に咲き誇ろうとしている『部族主義』の問題なんだ。」と書いた。人類は「部族」であり、人々はインターネット上で部族を再生産する傾向がある、ということに同意しますか?この「部族主義」をあなたの日常のなかで目にすることはありますか?

 

・あなたの「フィルターバブル」を打ち破るには、どのようにすればいいとい思いますか?どんな人や組織をフォローしますか?どのような「新しい観点」を探しますか?どのようにそれらを見つけ出しますか?

 

・まず、いくつかの新しく、バラエティーに富んだ情報源を、あなたのタイムライン上に追加してみてください。そのあとに、この質問に答えてみてください。あなたはその試みから、なにを学べましたか?

 

“The Filter Bubble”の著者、Eli Parkiser氏のTed Talksは、参考になると思います。

www.ted.com

 

 

元記事→

https://www.nytimes.com/2016/09/29/learning/is-your-online-world-just-a-filter-bubble-of-people-with-the-same-opinions.html

イギリス最高裁、学校を休ませ娘をディズニーリゾートへ連れて行った父親に罰金を課す判決

2017/4/6 from The New York Times.

https://www.nytimes.com/2017/04/06/world/europe/britain-vacation-school-disney.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur

 

ロンドン ー イギリスの最高裁判所は木曜日、自身の娘に学校からの許可なく授業を休ませ、米国フロリダ州のディズニーリゾートへ連れて行った父親の行動は法律違反であり、父親は罰金を払わなければならないという旨の判決を出した。

 

学校への出席を義務化しているイギリスには、厳格な「無断欠席禁止法」がある。今回の件は、親が子育てをする権利の範囲内なのか、それとも無断欠席禁止法違反なのか、イギリス国内で議論を巻き起こしている。

 

父親であるジョン・プラット氏は、イギリス政府は個人の判断にまで必要以上に関わろうとしており「余計な御世話で、政府は子供にとって何が一番良いかを決める最終決定者ではない。」と主張している。

 

18ページに及ぶ最高裁判所の判決文は、父親には病気などの「妥当な理由」なしに娘に学校を休ませる権利は無いとして、プラット氏の主張を支持した2つの下級審の判決を退けた。

 

今回の一件は、2015年1月にプラット氏が当時6歳の娘をディスニーリゾートへ連れていくため、学校へ欠席を申請したことから始まった。

 

学校は欠席を許可しなかったが、プラット氏は娘と共にディズニーリゾートへ行き、娘は4月13日から21日の7日間学校を欠席した。プラット氏は120ポンド(約1万7千円)の罰金を課された。

 

ディズニーリゾートへ行く以前、プラット氏の娘の出席率は95%であり、旅行による欠席後も出席率は90%は維持していた。90%〜95%の出席率は一般的に学校が求める水準であり、私は何も悪いことはしていないとプラット氏は主張している。

 

地方下級判事と控訴審はプラット氏の主張に同意したが、地方審議会がこの件を最高裁まで持ち込んだ。

 

ブレンダ・ハイレ最高裁判事は判決文で、無断欠席禁止法が規定している学校への「定期的な」出席義務は、「学校が定める規定に基づく」出席義務であり、プラット氏の主張する「十分な程度、出席すれば良い」という意味ではないと述べた。

 

判決文ではさらに「"十分な出席率"とは何をもって測るのか?どの程度出席すれば"十分"なのか?成績の良し悪しは欠席を正当化する理由になるのか?出席率と教育の成果との間に明らかな統計的な関係性があるだけではなく、学校を無断で欠席することによる甚大な影響の方が重要な問題だ。」と続けた。

 

無断欠席による甚大な影響には、補習授業への参加、グループ学習からの遅れ、他の生徒への影響、といったことが含まれる、とされた。

 

「何よりも、一人の生徒が親の都合によっていつでも欠席してよいのならば、他のすべての生徒も同じことが出来るはずだ。」と判事は述べた。

 

無断欠席禁止法の歴史は1870年に、国会が公立小学校の設立を支援し、裁量権のある地域教育委員会に対して、5歳から12歳の児童に出席を義務付けた時まで遡る。

 

イギリスの学生は16歳で学校へ行くことをやめることが出来る。しかし、イングランドでは18歳まで、職業訓練を含め、何らかの形で教育機関に所属し続ける必要がある。

 

判事は、プラット氏の娘の母親が2015年2月に娘を5日間無断欠席させたことで罰金を課されていることも指摘した。「母親も以前に全く同じことをして、罰金を払っている。」と述べた。

 

イギリス教育省は木曜日、国会が「特別な事情による欠席を認める権利は、教師にある」ということを認めたことは喜ばしい、とする声明を出した。

 

学校選択の自由と地方自治を支持する保守政党出身のテリーザ・メイ首相も、教師達が学校の方針を決めることができる権利を擁護した。

 

保守的雑誌「The Spectator」のライターでジャーナリストのトビー・ヤング氏は、プラット氏は「強大な国家に挑む保守系ヒーロー」として見ることも出来るかもしれないが、「彼が道徳的怒りを感じ主張していることは、海外航空券が安い時期に家族旅行へ行けるようにするため、娘の教師を困らせることの出来るようにする権利なんだよ。結局のところ、まったくもって高貴な信条ではないね。」と述べた。

 

しかし、左派民主党の教育関連報道官ジョン・ポウ氏は、裁判所の判決は融通がきかな過ぎると指摘し、「多くの従業員たちは、いつ休暇をとるかを選択することが出来ない。コストが最も高くなるピークシーズンには、金銭的な問題で旅行へ行くことが出来ない人達もいる。」と述べた。

 

元記事→

https://www.nytimes.com/2017/04/06/world/europe/britain-vacation-school-disney.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur

ブロックチェーンが「流動体民主主義」を世界に広める。

2017/4/6 from The Cointelegraph 

Blockchain Voting May Lead to Liquid Democracy Globally in 20 Years

(タイトル直訳:ブロックチェーンによる投票システムは20年以内に「流動体民主主義」を世界的に牽引するかもしれない)

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民主主義は「地域における全人口もしくは全ての適格者、典型的には選挙により選ばれた代表者たち、により統治を行うシステム」と定義される。それゆえに、代表者を選ぶ選挙は人類の存在にとって非常に重要なものとなっている。

 

現在の仕組みの弱点

 

現在の選挙の過程における弱点として権力闘争が指摘されている。現行の選挙制度は、不合理で非合法であると激しい抗議に晒されている。

 

ブロックチェーンと変更不能データ技術(イミュータブルデータ技術)の出現により、投票システムを信頼でき*、透明性があり、改ざんされないものにするようなイノベーションが起きている。

*(訳者注:原文ではtrustless 「信頼出来ない」となっているが、前後の文脈から、trustiness「信頼に価する」の間違いであると考える。)

 

しかし、どんなに完璧なシステムが現れようとも、そこには必ず問題がある。

 

人間の性

 

この意見はブロックチェーンのエキスパートである、Daniel Maloney氏が表明したものだ。彼は今回の取材で、将来ブロックチェーンによる投票システムが広く受け入れられることに関しては楽観的であるとしつつ、このイノベーションに対する主な障害は人間であろうと指摘した。

 

Maloney氏は「人々はどんな投票システムに対しても、仮にそれが完璧なものであったとしても、不信感を持つだろう。事実ではなく認知バイアスに基づいた陰謀論や誤った情報に踊らされるのは、人間の性(さが)なんだ。」と述べた。

 

流動体民主主義 (Liquid Democracy)

 

ビットコイン・ブロックチェーンの専門家である、Bjorn Bjercke氏は最終的にブロックチェーンが投票システムへ導入されることは、避けられない現象であると考えている。Bjercke氏は"America's got talent"や"Idol"(アメリカの公開オーディション番組)といった規模の小さな環境から、投票システムへのブロックチェーン導入は徐々に実施されていくだろうと予想する。また、同氏は現在ノルウェーで最も大きなテレビ放送局の一つと、投票システムへのブロックチェーン導入というコンセプトを実証するために動いていると公表した。

 

「政府は動きが遅い。ブロックチェーンは、今日の我々が採用している間接民主主義を支える選挙への実証がなされるよりも前に、もっと広い用途に使用され受け入れられる必要があると思う。しかし、ここに新たな展開が待っている。システムを変えられるということは、社会を変えられるということなんだ。今から20〜30年後には、人類は流動体民主主義を体験していると思う。ブロックチェーンを使えば、関心の高い問題に対して票を投じ、関心の低い問題に関しては票を手放すということが可能になる。これによって、直接民主主義と間接民主主義のハイブリッド、いわゆる流動体民主主義を実現出来る。

 

Bjercke氏*は技術面はすでに完成しており、残る障害は受け入れ体制と時間の問題であると付け加えた。

*(訳者注:原文では発言者の名前が"Blercke"となっているが、前後の文脈から、"Bjercke”氏の発言であると考える。)

 

同氏はさらに、政府の準備が整う頃には、新たなシステムはさらに進化しており、現在の姿とは見た目が異なる可能性があるが、コンセプトはとても似通っているだろうと述べ、「Bitnation」「Ouishare」「The 2030 initiatives」がブロックチェーンを利用した投票システムに関するイノベーティブな循環の参加者であると特定した。

 

投票システムのイノベーション

 

ブロックチェーンを利用した投票システムの例として、効率的なマイニングを可能にし、dApp開発者がより強力なアプリとイノベーションを産み出すことを可能にするようデザインされた分散型アプリケーションプラットフォーム・VoteLockがある。

 

Christopher Franko氏はその頭脳で「The Expense Project」「FrankoCoin」「Borderless Charities, Int.」そして「Borderless Tech」を支えている。

 

Franko氏は「Collision主催の"Alpha Program"に参加したことで、VoteLockを世界的な舞台で披露することができたよ。VoteLockには世界中の選挙の未来を変える力がある。"PITCH"はCollision主催のスタートアップコンテストで、108の世界を牽引するスタートアップが集まって、成果を競い合うんだ。」と述べた。

 

同氏の会社によると、VoteLockは「開かれた民主主義」のための、透明性があり改ざんされない投票所であり、選挙を行う際に、ブロックチェーン上で投票し、得票を改ざん不可の状態で永久に保存することを可能にする選挙システムである。

 

Collusion 2017

 

Franko氏はアメリカで最も早く成長しているテクノロジー関連のカンファレンスであるCollision 2017で注目を集めるだろう。100カ国以上から2万人以上の参加者が集まり、Web Summitを支えるチームにより運営される今年のイベントは、5月2〜4日にニューオーリンズで開催される。

 

元記事→

cointelegraph.com

 

シリア内戦を一から解説

2017/4/11 from Al Jazeera

Syria's civil war explained from the beginning | News | Al Jazeera

 

シリアで紛争が勃発してから7年が経過し、現在までに46万5千人以上のシリア国民が戦闘により殺害され、100万人以上が怪我をし、内戦開始前のシリアの人口の半分にあたる120万人以上のシリア人が元の居住地を追われた。

 

2011年「アラブの春」が勃発し、エジプトのホスニー・ムバラク大統領とチュニジアのザイン・エル・アビディーン・ベン・アリ大統領が退陣に追い込まれた。

 

同年の3月、シリアで「アラブの春」への支持を表明するグラフィティアートを行った15人の少年達が拘留され拷問されたことを受け、平和的デモがシリア国内でも発生した。15人の少年の1人、当時13歳だったハムザ・アル・カティーブは、残虐な拷問を受け死亡した。

 

バッシャール・アル・アサド大統領率いるシリア政府は、多数の抗議デモ参加者を殺害、さらに多くを拘留するという方法で、抗議デモに対応した。2011年7月、シリア軍からの離脱軍人がシリア政府打倒を目的とする「自由シリア軍」の結成を表明し、シリア内戦が始まった。

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少なくとも70万人が包囲され身動きが取れず、少なくとも490万人が支援物資などが届きづらいエリアに住み、少なくとも630万人がシリア国内で避難を余儀なくされている。

 

なにが反乱を産んだのか?

 

もともとは、自由の欠乏と経済的危機がシリア政府に対する国民の憤りの原因であったが、抗議デモ参加者に対する厳しい弾圧により国民の怒りは爆発した。チュニジアとエジプトにおける反乱の成功例は、シリアの民主主義活動家に希望を与えた。多くのイスラム原理主義運動もアサド政権による支配に強く反対した。

 

1982年、アサド大統領の父であるハーフィズ前大統領はシリア西部の都市・ハマでイスラム教同胞信者に対する軍事弾圧を行い、1〜4万人が殺害され、街全体が恐怖に震えた。

 

2011年に発生した当初の抗議デモの多くでは、宗派や派閥に関係なく参加者が集まり共にデモに参加していたが、軍事的な紛争が宗派間のはっきりとした分離を引き起こした。反対派闘士の圧倒的大多数はイスラムスンニ派である一方、その他の宗教的マイノリティーグループの多くはアサド政権を支持を支持した。

 

ほとんどのシリア国民はイスラムスンニ派である。しかし、シリア政府の軍事に関わる要職はアラウィー派により長い間独占されており、アサド大統領もアラウィー派である。

 

宗派間の対立は、その他のイスラム圏各国のスタンスも反映している。

 

また、地球温暖化も、2011年のシリアにおける反乱の勃発に影響を与えたとされている。2007年から2010年の間、大規模な干ばつがシリアで発生し、この干ばつが農村地帯から都市への人口移動に拍車をかけ、150万人ほどが都市へと移動し、都市における貧困と治安が悪化した。

 

 

外国の参入

 

海外勢力による支援と介入はシリア内戦に大きな影響を与えている。2014年以来、アメリカが主導する数カ国による連合は、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant, もしくは "ISIS")を空爆し続けている。

 

アメリカはアサド政権に対する反対を繰り返し表明している。しかし、バラク・オバマ前大統領が即座の介入につながる「超えてはいけない一線」と表現していた化学兵器を、2013年にアサド政権が使用したとされた後も、アメリカはシリア内戦へ深く関与することを躊躇してきた。

 

2017年4月7日、アメリカはアサド政権軍に対して初めて直接的な軍事行動に踏み切った。59発のトマホーク巡行ミサイルが、4月4日にシリア西部の都市クアン・シェイコンで発生した化学兵器による攻撃の拠点であるとアメリカ政府が考えているシリア空軍の基地に向け発射された。

 

ホワイトハウスの報道官は、トランプ大統領が「もしこれらの行動(化学兵器の使用)が続くようであれば、アメリカ合衆国は間違いなく、さらなる行動を検討する。とはっきりさせた。」と述べた。

 

2015年10月、アメリカはシリア反政府軍の兵士をアメリカ軍が訓練するプログラムにおいて、5億ドルをかけて60名の兵士しか訓練されなかったことが判明した後、このプログラムを廃止した。

 

2017年2月、CIA(アメリカ中央情報局)はシリア北部の反政府組織に対する資金援助と戦略サポートを凍結させた。しかし、自由シリア軍の情報によると、2017年3月後半には、資金援助は一定の範囲で再開しているとされている。

 

2015年9月、ロシアは、ISILおよび欧米諸国により支援されている反政府組織を含む、「テロ組織」とみなされるグループに対する空爆作戦を実施した。また、ロシアはアサド政権を支えるための軍事顧問団を展開している。

 

いくつかのアラブ圏の国々とトルコは、シリア国内の反政府組織に兵器と物質を供給している。スンニ派が大多数を占めるトルコ、カタールサウジアラビア反政府軍を強く支持している一方で、シーア派が大多数を占めるイラクとイランの政府はアサド政権、およびレバノンを拠点とする組織「ヒズボラ」を支持している。

 

2016年8月、トルコ軍と自由シリア軍は、トルコとの国境にあり戦略的に重要なシリアの都市ジャラブラをISIL奪還するため、そしてクルド人勢力民兵組織の進撃を止めるため、「ユーフラテスの盾」と呼ばれる軍事作戦を展開した。トルコ政府は、クルド人勢力を拡大し、結果として自治の要求を強めることを恐れている。

 

「ユーフラテスの盾」作戦は、2011年にシリア内戦が勃発して以来、トルコによる初めてのシリアにおける地上介入だとされる。

 

2017年3月、トルコは「ユーフラテスの盾」作戦の終了を公式に発表した。しかし、トルコのビナリ・ヤルディリム首相は次なる作戦のさらなる展開を示唆している。

 

シリアにおける「敵と味方」「誰が誰を支援しているか」について分かりやすく図にまとまっているアルジャジーラの記事→

Connecting Syria's allies and enemies - Al Jazeera English

 

 

反政府組織 

 

2011年に自由シリア軍が結成されて以来、数多くの新たな反政府組織がシリアでの戦闘に加わってきた。ISIL、ジャハット・ファテン・アル・シャム、イランが支援するヒズボラクルド人勢力によるシリア民主軍などがその一例だ。

 

紛争が進むにつれ自由シリア軍は弱体化している一方、ヌスラ戦線などのイスラム過激派組織は勢力を増してきている。2016年にヌスラ戦線指導者のアブ・モハメド・アル・ジョラニは、ヌスラ戦線の名称をジャハット・ファテ・アル・シャムもしくはアル・シャム解放戦線へと変更し、アルカイダとの関係を絶つことを公表した。

 

ISILはイラクの大部分を支配した後、2013年にはシリア北部および東部まで侵攻した。残酷な処刑方法とソーシャルメディアの積極的な活用により、ISILの悪名は急速に世界へと広まった。ISILには海外からの戦闘員が非常に多く所属している。

 

シリア北部に展開しているクルド人勢力も、支配地域での統治を目論んでいる。

 

レバノンの過激派組織ヒズボラは、イランとアフガニスタンもそうするように、アサド政権側についている。

 

反政府組織は力を巡って互いに争い、反政府組織同士での戦闘も頻繁に発生している。

 

自由シリア軍司令官によると、アサド政府軍が反政府組織からアレッポを奪還して以来、イドリブ県とアレッポ西部およびラタキア県の一部における軍事的支配を強めることを目的とした反政府組織による新たな軍事同盟が、シリア北部で結成されている。

 

シリアにおける戦闘はときおり隣国レバノンへも波及し、レバノン政治の二極化を招いている。戦闘を終結させるための数回にわたる和平交渉は失敗に終わっている。

 

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シリア国内における組織ごとの支配地域 

 

現在の状況

 

血生臭いシリア内戦において、化学兵器が繰り返し使用されている。2017年4月4日に反政府組織が支配するイドリブ県の街クアン・シェコンで少なくとも80人の市民が殺害された戦闘では、化学兵器の使用が疑われており、現在国連戦争犯罪の可能性を調査している。

 

1300トンもの神経サリンガス、およびそれと同類の物質がシリアから撤去されたという事実にもかかわらず、それから4年近く経った今でも化学兵器による攻撃が続いている。

 

2017年3月、アメリカが支援する軍事同盟は、ISIL包囲網を完成させISILの本拠地であるデイール・アズ・ゾール県への補給路を絶つことを目的として、ISILが支配するシリア北部の街ラッカに対する新たな作戦を開始したと述べた。

 

同じく3月、ダマスカス北部に展開していた反政府組織が奇襲攻撃を仕掛けた後、ダマスカス周辺での戦闘が激しさを増している。国連は、シリアの首都であるダマスカス周辺における戦闘により、30万人が身動きが取れず、人道的支援も届かなくなっており、戦闘地域への救援輸送の許可が必要になっていると報告した。

 

昨年12月に、シリア政府軍は反政府組織からアレッポを完全に奪還したと宣言しており、これは政府軍にとって6年間に渡るシリア内戦での最大の勝利となっている。ヒューマンライツウォッチ(人権監視団)によると、シリア政府軍はアレッポ奪還作戦の最終週に化学兵器を使用し、少なくとも9名を殺害、数百人に被害を与えたと報告されている。

 

現在シリア政府軍はアレッポに加えて、シリアの首都であるダマスカス、シリア南部の一部、本拠地であるデイール・アズ・ソール県、シリアとレバノンの国境地帯の大部分、そしてシリア北西部の湾岸地域を支配している。ISILおよびクルド人勢力は残りの地域を支配している。

 

シリア難民

 

シリア内戦は国境を越えて大きな影響を与えている。レバノン、トルコ、ヨルダンでは数多くのシリア難民を受け入れており、その数は今も増加している。これら3国にいるシリア難民の多くはより良い環境を求めてヨーロッパまで行くことを試みている。

 

シリア国内の大部分が破壊され、数百万人のシリア国民が国外へ逃れ、戦争により国民は心に深く傷を負っている。一つ確実に言えることは、戦争後のシリア復興は、長く、とてつもなく困難な道のりになるということだ。

 

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シリア難民の半数は子供であり、その数は少なくとも240万人にのぼる。少なくとも30万6千人が難民として生まれている。200万人の子供が現在定期的な支援を得られていない。20万人以上の子供が包囲された地域で生活している。

 

元記事→

www.aljazeera.com